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穴窯の特徴

陶器は、その性質として多少の吸水性を持っています。

 

それを防ぐための対策として、人工的な※釉薬というもので表面をコーティングしてから焼きます。

 

※(高温で焼くと溶けるガラス質の物)

 

現在日常で使用される陶器は、燃料費、手間(焼成に関わる時間)、作業場の立地条件等の関係で、

 

電気、ガス、石油等を使用する窯での焼成が 広く一般的になっています。

 

この現代の焼成方法により、陶器は誰にでも手軽に作れるようになりました。

 

穴窯という陶器を焼く窯の特徴は、釉薬を使用しない事です。

 

燃料に使う薪を燃やすことにより生ずる灰が釜の中の作品に付着し、

 

土の成分と反応し、長い時間をかけ徐徐に自然の釉薬(自然釉)となり

 

様々な色や模様が生じます。その色や模様は人為の及ばない変化が生じます。

 

それが穴窯の最大の特徴となります。

 

しかし穴窯で陶器を焼くには、燃料となる薪を大量に用意し、

 

何日もかけて薪を燃やし続けなければなりません。その手間と、燃料代が膨大なために、

 

今では、この方法で陶器を焼く作家は、ごく少数となりました。

 

この方法で作られた陶器は、今では希少な贅沢品と言えます。

 

薪の炎と灰が生み出す、人の作為を超えた逸品を御高覧ください。

私のこだわり

陶器、磁器は、又の呼び名を 焼物と言います。つまり素材を どんな器で、燃料に何を使い、

 

どのように焼くかによって その素材を素晴らしい物にするか、ダメにするかが決まります。

 

また、食べ物は腐る寸前が一番美味しいと言い、形ある物は崩壊する寸前が一番美しいとも言われます。

 

私が作品を作る時は、このことを前提に制作しています。

 

成形時に形有る物が、窯の中で焼いてゆく過程で、熱に耐え切れずに ひび割れ崩れ落ちる寸前で

 

踏み堪える姿が一番優美だとおもいます。

 

穴窯 雪割窯 水野英夫

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